最近、原稿書きをサボってばっかりで読み耽ってしまう、硬派な音楽関連ブログ2選。
勝手に紹介なので、興味のある方はこのタイトルで検索してみてください。
●STRONGER THAN PARADISE
この方、一体何者や?と思いながら読んでいましたが、この文章・コンテクストの構成、あたかも論文に挿入するがごとき写真の扱い方、キャプションのつけ方。おそらく大学のセンセあたりではないかと。
私と同年代ぐらいの方かと思いましたが、ムーンウォークが流行った頃に小学生と書かれているので、30代後半でしょう。
博識・博学、恐ろしく映画・音楽、芸術全般に造詣がふかい。ビジュアルセンスも上質。
MJ論も非常に切り口鋭くユニークとゆうか、ここまでこういう掘り下げ方をしている人をあまり見たことがありません。時々考察が膨らみすぎてだいぶ遠くのほうまで行っちゃっておられますが、圧倒的な筆力とアーカイブ力、人間データベース的参照力・引用力で読ませます。これはやっぱり、どう考えても学術関係のヒトでしょう。ただあまり頭がクリアでないときに読むとこっちがリタイアしてしまいます。でも、こういう職業のヒトはこれで普通のテンションと文章量なのだと思う。
ブログの項目1つの内容で、素材さえその通りにすぐ集めれば30分番組は裕に作れる密度と精度。但し興味深くそれを見る人は非常に限定されそうですが。
凄い。“プロのオタク”という貫禄。
●洋楽雑記帖 A Notebook Of Western Music
音楽業界、もしくは音楽関係のマスコミに在職していたと推測される方のブログ。
どれだけ昔の曲でもビルボードチャートのレコードなどが正確なので、そういう膨大なデータベースを持っている業種の方ですね。プロならではの視点を持って意図的にゆるく書かれた記事と、趣味として?ご自分で訳しておられる訳詩がいいです。
上記のブログとは相反して、こちらは純粋に音楽周辺、アーチスト周辺のマニアックな“事実”を資料的に編集しています。あちこちから集めた“事実に基づくソース”を、良質な人物史や社史をを紡ぐ様にすこしずつ貼り合せ、時系列で串刺しにしてゆく手法。
エディターとしての正攻法です。視点は定点にあるけれど極めて客観的、ルポ的。
でもまあ、ご自身で思い入れのある事象については洋楽親父全開で語っているのが微笑ましい。
初め読んだ時はなかなかタイトなサイトだと思ったのですが、
STRONGER THAN PARADISE
を読んだあとだと、ものすごくレイドバックな雰囲気に思えてくるから不思議。