
みつかった。
ある年齢以上の人は誰もが感じているだろうけど、大昔の記憶におぼろげながら残っている曲にまたきちんと出会うことができる驚き、喜びを。
でもこの体験は、子供の頃、すごく大きい、広いと感じていた学校の校庭に、大人になってから行ってみるような感覚かもしれない。 自分の記憶違いや、えっ、実物はこんなんだったの?という感じが明らかになるような。
これって、いいのかな、どうなのかな。
記憶の中でところどころ欠けたまんまで、そのままの方がいいってこともあるよね。
ふと思ったのだけど、この感覚って、今の若い子にはもう手に入らない感覚なんだ。
物心ついた時からネットがあれば、私たちが味わった「過去の記憶の宝物」に会えない期間はない。
断線期間がないのだ。彼らの想い出は、スペクトラム的につながっていく。
いや、「想い出」という言葉さえ、もしかしたら不要になるかもしれない。
動画を記録・保存できるようになった時期を考慮すると、この「再会」体験を享受できた世代は、
そんなに幅広くないのだ。
日本のではせいぜい1950年代ぐらいからの動画が多く残っているとすると…
その頃に10代、20代だった人は今、 70歳から80歳ぐらいまでか。これが上限。
でも、あまり上の年代は、ネット人口は少ないわなあ。やっぱり今の団塊ぐらいが上限になるかな。

となると… でも、
懐かしいと感じる想い出との時間的隔たりを考慮すると、
今の30代、おおよそ70年代生まれから60代前半ぐらいまで、だと50年代生まれかな。
1950年代、60年代、70年代。
うーん、80年代生まれは子供の頃からティーンエイジャーぐらいまでの想い出とは再会できるかもしれないけど、若かりしオトナの日々の想い出に再会できるのは、やっぱり70年代生まれまでだな。
このたった30年間に生まれた世代だけが、想い出との感動的な、そして落胆の再会ができる
特権的な世代なのだ。
そう考えると、ものすごく貴重な気がしない?
MOONRIDERS // DOG SONG ( NOUVELLES VAGUES )