Markey's Osaka West "Oba-han"River-side Blues......

       ── ひらりひらひら きままな稼業 風に吹かれて 東へ西へ

2010年7月30日金曜日

Les Misérables

ごぶさたぶりの外飲み。まあたまにはいいよね、と行っていいご機嫌で帰ってきたら携帯がバッグにない!そんなに酔っていないので手に持っていた傘やカーディガンはちゃんと持って帰ってきていて、その他のバッグの中のものもきっちりある。
携帯だけがない。不自然や… こんなことは初めてである。

去年の年末年始には飲みに行って相当のものをなくした前科数犯のワシ。
スワロフスキーのペンダントトップ、ツイードのハンチング、真珠のピアス(片方)、ピンクゴールドのピアス(片方)、MADOVAの手袋(片方)…

まあ書き並べたところでさほどの高級品は持っていないことがわかったが、それでもずっと前に必死で手に入れた泣きそうな物ばかりなくし、どうでもいいものはいつも手元にある。
ワシの人生の縮図やないかい。
しかし全部 「自腹で買った」モノだというところがまた泣ける…我ながら。

しかし携帯だけはどんなに酔っ払って帰っても不思議となくしてなかったのだが。4年前のオールドモデルである。以前書いたが、ヤマダ電機のマッサージチェア置き忘れからも生還している。

あわてて二軒目の店にTEL。一生懸命探してくれたがない。一軒目にTEL。もうしもとる。
ひゃー、紛失!!? 焦ってAUにTELして通話止める… 不安な気分でバッタリダウン。
まりりんは年上の友達とこに泊めてもらってておらんし…

で、今朝。一軒目にTEL。弁当屋を最近始めていて、そっちのほうに 電話がつながった。本店に昨日いた兄ちゃんがおった。

「あー、携帯!?黒っぽいの!? あるよーあるよー」 (やった!!!神様ありがとう!!!)

「トイレに沈んどったん、さっき見つけてんー」 (あまりの展開に、絶句)

予想の斜め上を行く現実に呆然…天国から地獄とはこのこと。いや、地獄から天国行って超地獄へ急降下や…とりあえず動転する心をおさえ、即効取りに行くことにする。

レギンスの尻ポケットに入れていて、そのままなんでカウンターの椅子にずーっと座っていたのかが不思議なのだが(いつものワシなら気持ち悪くてすぐ出して机の上かバッグに入れるはず)
なんらかのトラブルでお尻の神経が麻痺していたのか?
そもそも、ポケットに携帯は屋外作業時以外は入れないのだが…

と、悔やんでみても仕方がない。一晩トイレに漬かっていたのである。復活したら奇跡だ。
持ち帰りすぐバッテリーを抜いてフタを全部開け、タオルに包んで振り回し、除湿剤を買いに行ってへろへろと帰宅。あああ脱力や… どうしよう。どうもこうもない。やるだけやってアカンかったらそういうことだ。何事もそうなのだ。予想通りSDカードは生きていたが、たいしたものは入っていなかった。問題は本体のアドレス帳と画像類である。まー、画像はそんなにたいしたことないとは思うのだが…わからん。思い返すのが怖い。

今日は一日仕事にならなかった。神様許してください。わたしが悪いのね。
何が悪いのかわからんぐらい、たぶん全体的に悪いのね。
さしものワシも、グスン、誰か助けて…って半ベソかいて泣きつきたいけど、この件は誰に泣きついたらいいのかいささか不明である。

シリカゲルをたくさんくれるという奇特な方があらわれて、夜、京橋までいただきに行く。
ふと、最終日の呼び込みをしているサマージャンボの売り場が目に付いた。厄落としに買ってみようか。
バッグをゴソゴソ、財布がない…家においてきたのだ。
それを知らずICOCAで平然と来たけど、果たして残額で帰れるのか!!?
ま、最寄り駅の改札は似た様なことが何度かあって、強引に交渉して突破した経験がある。
「一応形だけですから…」と駅員に言われて不足運賃の借用書を書いたのは一度ではないのだ。


帰りの改札を通ったときは、ICOCAの残金28円だった。
ものすごく情けない気分の、ン十ン才の、夏の始まりだ。
いや、もうすぐそこに+1才だ…

週明けに万が一携帯が復活したら、シャンペンを買いに行く。
ほんで恐怖のお誕生日祝いを兼ねて、ひとりで祝杯をあげる。と誓う。ぐすん。

2010年7月20日火曜日

オリックス×楽天

仕事先で野球のチケットもらって、嫌がるまりりんを連れていってみた。
何年ぶりかなー野球見に行くの。ずっと前は阪神ファンの友人デザイナーが、よくいきなり電話をかけてきて、単車のケツに乗っけてもらって甲子園へ行ったものだ。ひとりで観にいくのもツマランから家の近いワシを誘っていたのだと思う。まだ新庄がいた時期だよ!ナイターの照明に浮かび上がる新庄は、恐ろしくスタイルがよかったのを覚えてるわー。

しばらくぶりの観戦でいろいろ勝手がわからず戸惑ったけど、S指定席のチケットでキャッチャー後方の良席やん!オマケとビールもついている。こりゃいいw
オマケはオリックス選手のずらーっと写真入りレジャーシートとロゴ入りタオルが選べたけど、まりりんは“このレジャーシート学校の遠足に持っていったら恥ずかしい”と発言しスタッフの人も大笑い。す、すんません…結局タオルを二人ともゲット。あとで試合でこのタオルの使い道が判明w

ずーっと野球見てなかったから監督が岡田なのも知らんかったワシ…
まりりんに至っては“興味ないのに無理やり連れてこられた”とボヤイていたが、帰るときには感想は180度変わってました。その理由は楽天から移籍?したヒールキャラのゴーヤ。
彼の邪悪なキャラと恐るべき身体能力にすっかり魅せられてしまったようです。
グラウンドで超連続バク転とバク宙はするわ、ダンスタイムに“ABC”でブレイクダンスはするわ…喋りはイケルわ、歌は歌えるわ、でガチャピンも真っ青です。ただし顔がキモイけど。

本日は「R50ナイト」と銘打って、巨人の星の声優の古谷徹氏、白石冬美氏が場内アナウンスを担当(!)入り口ではクッピーラムネもプレゼント。場内では次から次へと告知されるツイッターでのプレゼントや携帯サイトの賞品つきクイズ、試合終了後のドーム内ツアー… ひえ~最近のプロ野球ってこんなに細々あんな手こんな企画をやっているのか!こりゃ担当者(つーか、発注される広告会社が、やが)大変やで!

いろいろとビックリした。しかも帰りにはアンケート書いてね、ときて、今日びはこんだけカスタマーサービスに力を入れんと駄目なのね、と 実感。まあ何よりいいプレー、オモロイ試合が必要なんでしょうけど…とにかくファンあっての商売やからなー。

でも、な~んも考えんと大勢と一緒になって一喜一憂するあの雰囲気はやっぱりいいねえ。まりりんも大層気に入った様子でした。
「テレビで野球見るより断然面白い」とのこと。これをいい経験に、「メディアを通してみるものと実物との違い」を認識してくれるといいね。彼女はT.OKADAのファンになったようです。

2010年7月12日月曜日

洞川温泉へ

仕事で奈良県天川村の洞川温泉へ行った。
取材先を聞いたときはぶっ倒れそうになった。天川村?しかも洞川だと?

子供の頃から下市に知り合いがいたので、天川村まで 数度連れて行ってもらった記憶があるのだが…命がけのドライブと車酔いの思い出しかないわい。

いったいどーやって行くの、と思っていたら、大和八木まで車で迎えに来てくれるって。
だけどそこからまた、たぶん1時間半以上ゆうにかかるよ…


救いは梅雨の晴れ間。仕事でなけりゃ快適なドライブだ。7、8年前に長いトンネルが2つできて、ずいぶん天川村へ行く道が楽になったとのこと。ヘアピンカーブはまだまだあるが、難所がぐっと少なくなってるわー。よかった。
しかしやはり、大嶺山系のまっただなか、イヤになるほど遠いのだ。

最近、雨が続く日々でも取材はなぜかピンポイントで晴れている。いつでもどこへ行っても言われる。
晴れて晴れ女になったのか? めでたいこっちゃ。

めざすは洞川温泉のコンフィチュール(ジャム)屋さん。連れてってくれる人のお姉さんの嫁ぎ先らしい。元々実家が旅館を営んでいたが、廃業して佃煮屋→ジャム屋さんに。小学校の教師脱サラ組とのこと。なんかわかるわ。「元センセやから、難儀でっせ」と義弟氏は笑うが、近しい身内に難儀な大学のセンセ(退官したが、往生際悪く、まだなんか横浜でゴソゴソしている)がいるワシは、そういう人種のお人は得意なのである。打ち解けるツボは心得ている。

到着後、まずは洞川温泉のお蕎麦屋さんで昼食。更科粉がほとんどの上品なお蕎麦で美味しい。水がいいからこの地へ来て開業したとのこと。蕎麦職人になるのも大変である。

鍾乳洞があるなんて知らんかった。石灰質なのね。






洞川温泉の風景はとてもいい。昔は修験道のための遊び場として発展したんやよね。
温泉地ってやっぱりどこもそんな成り立ちだ。うーむ。

ジャムはすべて手作り。飛鳥や五條など奈良近郊でとれる季節の農産物を材料にし、近くの親しい養蜂家(本業は別にあるが、ハチ好きが高じて養蜂家になったとのこと)の方がとった蜂蜜を使用している。 茄子や玉ネギ、生姜のジャムもあり、日々いろんな材料に挑戦しているとのこと。
大阪のデパートから引き合いも来るが、「あんまり忙しいのイヤやからねえ」と、商売気は薄い。

取材はこれも店主と親しい地元の方が開いた店で、チャイをいただきながら。テラスから望む吉野杉の木立が美しい。












洞川は独特の言語が発達し、周辺とはまったく異なる単語やイントネーションを使うそうである。以前から言語学の研究対象にもなっている。
パワースポットとして最近は若い人にも人気が出てきているそうだが、確かに時間が独特の流れ方をしている。温泉旅館もいい感じにリニューアルされており、鄙びたなかにもちょっとイマドキな風情もある。
でも、家族で行くとこではないなあ。お忍びに最適…やね。ホンマに時の流れを忘れてボーっとできる。何も話さなくても時間の流れを共有できる、そんな関係のお二人に、おすすめ。

だけどまだ前から奈良交通のバスが来ると、100m以上急勾配をバックしないといけない箇所があまたあるので、運転のヘタな男は彼女を連れて行ってはイケナイ。
逢瀬のあとに別れが待っとるよ、たぶん。

2010年7月4日日曜日

時の流れの雫

6月は仕事は暇だったので、これまで片付けられなかったことをしようとしたのだが、中途で挫折。
気持ちがまだまだアップダウンの株価乱高下状態から抜け出せないでいるみたいである。

ちょっと、心をのんびり休める時間、いや期間が必要なんやろなー。
どうしたらいいんかな… 1人で自家発電はかなり燃料切れかも。もう燃やすもんないぞ。
時間ばかりが過ぎていく。ワタシはいったい毎日、何をしているのだろう。
火種の切れそうなちいさな溶鉱炉の火を、本当はしばらく落としてその傍ですこし休みたい、と思う。

で、ちょうどお声のかかった蛍狩りのお誘いに便乗させていただいて、この季節、雨のにおいと草いきれのする山里(結構近いけど)へ。
出発時の天候に、今年はもう蛍はだめだと思ったけれど、夜の帳が降りきった頃の時間だけ雨はやみ。不思議なことでした。
夜の闇に線を描くほのかな蛍の灯火は、いつか乗った静かな車窓に流れるかすかな灯りに似ていて、ちょっとさみしくなった。



こちらにお邪魔したときは、朝に歩く里の道が好きだ。
静かで平坦な山すその草むらに分け入る小道には、池や花や鳥や虫が、それぞれの場所で生きている。
私たちはその「領域」に勝手に分け入ってずんずん歩いているのだが、彼らは言葉で拒むこともなく、その姿で侵入者をも癒してくれる。

前夜に疎ましく思った雨も、翌朝には露となって残り、路傍の草の葉を潤す。
人生に起こるよくないと思えるいろんなことも、そういうものかもしれない。

さまざまなことをきちんと愛しく思えるようになれるまで、
初めて誰かをそう思えるまで、
まだ残された時間はあるのだろうか。
間に合わなかったらどうしよう。
それはそれで、そういうことなんやろな。