バラバラなクライアントなのに、何故か伏見、高槻は取材物件が多いのだ。
いつも仕事が終わると夕方で、満足に伏見を歩いたことがなかった。
カッパカントリーをさらっと見たことがあるくらいなのだ。
雲ひとつなく晴れた土曜日、悲しいかな
朝から取材。でも昼過ぎには終わる。これは伏見を散策するチャンス!
はじめは当然一人を予定していたのだが、なぜかクライアント会社の超大手素材メーカー系列の若き男女お二人とご一緒することになった。
もう完全にプライベートモードなので何でもアリなのである。

観光客がすごく多い。
暖かな日で伏見のまちは
人でいっぱいだ。
まずは三人で黄桜のミュージアムであるカッパカントリーへ向かい、軽い昼食。オジサンがいないのでお互いに気兼ねもなく、いろんな話がはずむ。営業マンの彼は5歳年上の彼女に、彼女が学生時代留学してたイギリスで結婚式を挙げようと、プロポーズとしてイギリス行きエアのチケットを渡すつもりだそうだ。ええやないの、泣けるねえ。オバチャンそういう話好きよ。
たまにはこういう時間もいいものだ。
ひとりもいいけど、彼みたいに初対面の人と知らない街をご一緒するのも楽しい。

あとは前からこの仕事担当の、現在妊婦さんの女性と二人で。
彼女のお腹が大きいのであまり歩き回ることはできなかったが、寺田屋の内部をじっくり見て
月桂冠の大倉記念館、日本酒をかけて食べるアイスを古民家風のカフェで楽しんだり、と
暫しの散策を楽しんだ。
楽しかったな。お二人とこういう風にどこかをぶらぶらすることは多分二度とないと思うけど、
そういう1回きりの縁の出来事に、意味があるような気がする。
1回きりの想い出の中の人。
ある時期は頻繁に会って、でもお互いになぜか離れて、相当の日々が過ぎてから
また会うことになる人。
ごくたまに会うだけだったのに、何かのきっかけでとても会うようになる人。
大事な人から、想い出の中の人に変わってしまう人。
二度と会えない人。
すぐそこにいるのははっきりしているのに、あえてお互いに、会わない人。
あとひと言がどうしても言えなくて、ふるえる細い糸のゆくえを見守るしかない人。
人と人って、胸が痛くもぼんやり熱くもなる、不思議なものだ。
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