Markey's Osaka West "Oba-han"River-side Blues......

       ── ひらりひらひら きままな稼業 風に吹かれて 東へ西へ

2010年8月25日水曜日

(親が)たのしいなつやすみ

あんまり置いておくと夏の想い出がしぼんでしまうので、書いておくことにする。

お盆に用事もほったらかして3日間、新大阪まで通った(その後のマクドでの休憩代が嵩んだ)
サキタ ハジメ氏プロデュースによる子ども対象のプロジェクト。

 

こども 夢・創造プロジェクト

映像に音楽をつけてみるのはオモシロイ!


サキタ氏は“はじめにきよし”というユニットを、4年ほど前の春一番コンサートで観たのが最初だ。

去年、伊賀上野へ蛍狩りに行った写真の簡単なスライドショーを作ったとき、 サキタ氏の曲がぴったりと合うのでBGMにして、結構お気に入りだったのだ。

サキタ氏は現在わが国のミュージックソー(ノコギリ音楽)シーンの第一人者である。

Musical Saw performance by Sakita Hajime

で、ワシと大学は一緒だ。

映像と音楽をシンクロさせる講座を、3日間でどうやってやるんだ?しかも子ども相手に?と
思っていたが、抽選かもと思っていた参加はすんなりパス。
行ってみれば参加者は8名、付いて来てる親も、どーみてもややマニアなタイプが多い。
やっぱりね。で、なんだかディープそうな、その中身は…

はてさて、どんな展開が?
1日目はほぼ座学というか、レクチャー。サキタ氏は現在毎朝
7時からのNHK教育「シャキーン!」の音楽を全面担当していらっしゃる。
い、いつの間にそんなに偉くなっていたのだ…
ワシの出身大学では松尾貴史氏と並ぶ出世頭ではないか。
ちなみに松尾氏はワシと同じデザイン学科出身で、1学年上ながら学生の身分でなぜか副手をし、学生からセンセと呼ばれていた。
訳わからんが、デザインの実力はかなりのものだったと思う。
それに加えて、在学時から世をつかむ能力というものが確かに氏にはあった。

大きな声ではいえないが(言ってもいいと思うが)、芸術系大学としてはハッキリ言ってその手の短大にも負ける部分があったにも関わらず、ごくごく少数のデキル奴は存在したのだ。
なんか間違ってか、なんか事情があってこの学校に来てしまった、というヤツね。
今は鬼籍に入っておられる、中島らも氏しかりである。
何も灘高からわざわざウチの大学に来なくてもいいだろうに。

話がそれてしまった。サキタ氏の音楽の持ち味は、日常生活にあふれる音の面白さ。
行く先々で郷土玩具から金物から大工道具まで、およそ音の出るものは片っ端から入手しあらゆる角度から実験する。これがその道のプロというものだろう。
この現場でも段ボール箱に山ほどそういうガジェットを持ってきて子どもたちにさわらせ、
熱心に説明してくれた。

嵯峨美出身のアニメ作家の方です
1日目の終わりにアニメーション作家 イワイ フミ氏の“drops”を観て、それにみんなで音をつけるという課題が出て、身の回りの面白い音が出るものを翌日持ってくるように、とのお達し。

残念ながらまりりんはこの手のイマジネーションは
あまり豊かなほうではない。
絵が描ける、音楽ができる、しかもオリジナリティがあるという能力は勉強と違って後付けでは難しい。
(注:技術のブラッシュアップは後天的に可能だが)。かくいう私も才能がなかった。
3歳児でもちょいと絵を描かせりゃ、技巧的にうまいとかそういう意味でなく、スジがあるのとないのとの差は一目瞭然なのだ。

以前著名なメーカーの開発部に、アイデア会議で次々出てくる製品コンセプトをホワイトボードにその場で描いて視覚化するという単発アルバイトに行った際、燦然たるエリートと呼ばれる30代ぐらいの男性社員の方々が
「子どもに芸術的才能をつけさせたいから、有名な絵画教室に行かせてるんだよね」
とかいう話で盛り上がってて、アホかと思った記憶がある。
そういうもんじゃないのよ、こういう方面の才能は確かに遺伝子しかないのだ。
伸ばす環境っちゅうのは確かにあるけどね。タネがなければどうしようもない。
逆に言えば、すごくよいタネはあるのに悲しいかな環境が得られず、
ポシャる才能も数多あるのだ。その環境というのは、必ずしもお金だけではないのだが。

とにもかくにも、イメージの膨らまないまりりんさんのために、電器屋でゴソゴソ一緒に探して、接着剤の注入器とか、夜店のラバーひよことか、ふる~い頑丈なブリキ缶とか、彼女が興味をもった面白そうなものを持っていった。

2日目はそれで各自の録音作業だ。映像作家の谷本 雅弘氏もスタンバっていらっしゃる。
シュポシュポ音のテイク

OKが出ました










本当のスタジオ録音にくらべれば装備も雰囲気もユルいものだが、
それでも現場らしい緊張感だ。
みんなが持ってきたものを、サキタ氏はこうやったらどうだろう、こうしてみたらどんな音が
出るだろう、とあらゆる角度から実験・検証していく。エフェクトを数種かけてみて推敲し、
テイクを重ねる。

コーラスもテイク!大変だけど楽しいね
やはりこの仕事、気の遠くなる作業の積み重ねだ。
うーん、はっきり言って親のほうが面白いが、まりりんもなかなか楽しんでいる。初めての空気を経験するというのはいいものだ。
3時間に及ぶ収録が終わり、明日までに先生方がこれを1本に編集するという。 皆さんトッププロだから
問題はないに決まっているが、それでも深夜に及ぶ作業なのは確実である。


みんなの選曲が面白い
3日目、前日一緒に出された、いろんな映像にふさわしい音楽をチョイスして持ってくる、というこれまた
難題の課題発表。アメリカの映像作家の、ダーティで
危険なピタゴラスイッチ的フィルムに“20th Century Boy”とか、“トッカータとフーガ・ニ短調”とか、なかなかみんなセンスがよい。妙に70年代から80年代の曲が多いのは、たぶん親の影響でご愛嬌。
ちなみにまりりんさんは、ビールを飲むサラリーマンの映像に“冬のリヴィエラ”をかぶせていた。

さて!音の付いた“Drops”の完成試写だ!
流石にプロの仕事で、あんなガラクタからの音が見事に効果音として、BGMとしてアレンジされている。
ディズニーランド土産のオモチャの電子音が虹をかける音に、ひよこのペホペホ音が雲の上の住人の足音に、エアキャップのプチプチ音が雨音に… 
と、子どもたちもそのマジックに唖然、びっくり。
コーラスも幻想的に処理


ほんとうはミキシングの過程も子どもたちに見てもらいたかっただろうけど、講座的にはどうしても無理がある。それでもこれだけの実学的な場を開催されたことに敬服の至りです。

(※写真・中の映像等はサキタ氏をはじめ、
関係各位にブログ掲載OKを頂いています。多謝!)



で、終了後のまりりんの感想。
「あの人らみんな、Mac使ってたなあー。
配線すごかった」

…そうなのだよ。って、アンタ一体どこ見てるん。

2 件のコメント:

  1. ししまるです。

    まりりんちゃんの視点すごいじゃないですか!
    音楽や映像の仕事にはMacが活躍している事に気付くなんて・・・
    窓PCだと何故か平面的なモノになってしますんですね。

    一夏の良い経験になったのでは?

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  2. ししまる殿、早速のご訪問感謝です。

    この講座は、ほとんど親の趣味で連れて行ったようなもんです(笑)

    ワタシも元々Macユーザーだったので、今うちにはG4もあります。
    最近のAppleはちょっと前とは隔世の感があるなー。一般人にも大人気とは…

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